国際情勢・通商

報告書「習近平政権の羅針盤」を発刊しました

「中国情勢研究プロジェクト(研究主幹=川島真・東京大学大学院教授)」では、2021年度の研究成果を報告書として取りまとめました。
 本報告書では、ポスト/ウィズコロナ時代の諸問題に中国共産党がいかなる形で対処しているか、社会、経済、法治のあり方、対外政策の側面から分析しています。中国研究の第一人者10名がそれぞれの専門分野について解説し、研究主幹がこれらの論考を要約し、日本経済界への示唆を論じています。

<目次>
Ⅰ.エグゼクティブ・サマリー
 習近平政権の羅針盤―ポスト/ウィズコロナ時代の諸問題とそれへの対処―
 1.はじめに
 2.中国の社会・経済
 3.中国の国際関係
 4.2021 年度の中国をどう見るか
 5.おわりに
Ⅱ.中国の社会・経済
 第1章 習近平政権と「公正で秩序ある市場構築」の試み
     ―業界団体のあり方をめぐる中国政治のダイナミクス―
  1.はじめに
  2.中国の業界団体―組織配置の特徴―
  3.業界団体をめぐる政策の変遷
  4.おわりに―業界団体をめぐる政治のダイナミクス
 第2章 ポストコロナの中国のマクロ経済政策―「三本の矢」はどう放たれたか―
  1.第1の矢:迅速かつ大胆な金融緩和
  2.第2の矢:控えめだった財政出動
  3.金融緩和への依存の副作用
  4.第3の矢:コロナ後の経済成長戦略と「共同富裕」
  5.おわりに
 第3章 「資本の無秩序な拡張」の防止:共同富裕と双循環のための民間企業規制
  1.はじめに
  2.中国経済における民間企業の地位と展開の趨勢
  3.「資本の無秩序な拡張」を防止するための規制措置
  4.なぜ資本の無秩序な拡張の防止に踏み切るのか?
  5.資本の秩序ある発展への誘導:製造業振興
  6.おわりに
 第 Rule of Law と依法治国のあいだ―中国法の予見可能性から考える―
  1.はじめに
  2.民法典の制定
  3.法律に基づく行政(依法行政)
  4.中国法の域外適用
  5.Rule of Law と依法治国のあいだ~むすびにかえて
 第5章 中国における情報インフラ政策の変遷
  1.はじめに  
  2.情報インフラ政策の変遷  
  3.おわりに―経済発展と国家安全保障のはざまで
Ⅲ.中国の国際関係  
 第6章 中国のアフガニスタン関与―内政と外交の連関の視点から―
  1.はじめに
  2.中国のアフガニスタン関与の論理
  3.中国のアフガニスタン政策
  4.おわりに
 第7章 「海洋強国」建設の現段階:宇宙---海を結ぶ中国の海洋立体観測システム
  1.はじめに:国土空間規画と海洋
  2.人工衛星
  3.海洋ブイと海中装置
  4.おわりに:データ応用の可能性
 第8章 中国の新疆政策とジェノサイドをめぐる認識の隔たり
  1.はじめに
  2.新疆問題の諸相
  3.新疆政策はジェノサイドなのか?
 第9章 香港の「中国式化」とそのリスク
  1.はじめに
  2.急速に進む「中国式化」
  3.政策の「中国式化」事例:コロナ対策
  4.おわりに「中国式」統治と国際金融センターは両立するのか
 第10 章 「台湾有事」をめぐる議論への考え方
  1.はじめに
  2.「悲願」としての台湾統一と台湾社会
  3.中国共産党の台湾統一「時間表」
  4.目下の中国の台湾政策をいかに理解するか
  5.中国における「国家の安全」と台湾政策
  6.おわりに―日本の役割:「台湾海峡の平和と安定」で足りるのか?

<執筆者(順不同)
川島  真  東京大学大学院総合文化研究科教授
小嶋 華津子 慶應義塾大学教授
梶谷  懐  神戸大学大学院経済学研究科教授
丁   可  日本貿易振興機構アジア経済研究所主任研究員
石塚  迅  山梨大学大学院准教授
伊藤 和歌子 公益財団法人日本国際フォーラム研究主幹
山口 信治  防衛研究所主任研究官
益尾 知佐子 九州大学比較社会文化研究院准教授
熊倉  潤  法政大学法学部准教授
倉田  徹  立教大学教授
(※ 肩書は20227月時点のものです。)

 

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